東急線沿線地域の重要な公共輸送を担う東急バス・東急トランセ様。2社の統合を機に新しい経営理念体系(目指す姿、価値観・行動指針、新スローガン)作成に向け経営層、本社・現業部門を横断するワークショップを行いました。新しい東急バスだからこそ創れる2035年の未来像を検討し、同じ目的に向かって各業務に取り組む体制づくりの第一歩としてのプログラムです。客観的な未来分析による与えられたゴールではなく、魂のこもった未来像を抽出することが求められました。
Issue 新しい東急バスとなる転機だからこそ、競合他社ではできない、自社にしか創れない2035年の未来像を腹を割って考え、従業員がOneTeamとなって未来の目的地を共有し、目指したい
Approach 経営層/本社・現業部門を行き来した立体的なプログラム設計により、多角的で質と量を担保したキーワード(創りたい未来、自社の魅力。仕事や職種の存在意義、夢など)を約500個、抽出
①経営層(未来の方針の検討)→②本社・現業部門(現場の声の吸い上げ)→③経営層(ビジョンの定義)とサンドイッチ構造で段階を踏み、これまで言語化されてこなかった本音を深く抽出し、チューにイングを行いました。現場でのワークショップでは職種を越えて、業務連絡ではない本音ベースのコミュニケーションを通じて、やりがいやお互いの職種の存在意義、またその職種からしか見えない自社の魅力を再発見しました。ワークショップという方法に初めてチャレンジする方も、始まってしまえば和気あいあい。事業所ごとのカラーもはっきりと現れるほど、自由闊達な意見交換がなされました。
歴史的な文脈を通じての自社ならではの”移動”の提供価値の再定義や、未来洞察、その未来を自分ごと化するワーク、ブルドーザー独自のディスカッション方法で解像度を引き上げる要素を織り込んだプログラムの中で抽出されたキーワードは、なんと約500個!東急バスのブランドを次世代に継承しながら、会社内でも失敗を恐れず活発な挑戦を誘発するための風土をつくっていくという方針も出ました。
Goal & Vision 実体験や言語化された思いから、誇りと愛着を持てる新スローガン「ココロをのせて、明日へ。」が誕生。運用開始時から意味や背景、目指す未来を皆が語り、パーパス浸透と文化醸成を加速させ一体感を高める
経営層同士が腹を割って今や未来を話し、本社員・現業員からも本音や期待、希望に関する話題が溢れ出しました。コーポレートスローガン「ココロをのせて、明日へ。」を核とする新しい経営理念体系は(プロジェクトオーナーの東急エージェンシー様で開発)は、ワークショップの中で出てきた、”まずは自分の周りの家族・同僚・会社から順番に、社会まで幸せを届ける範囲を拡げていきたい”という皆様の思いから生み出されました。これは、従来の交通・運輸業からアップデートされた新しい在り方を、世の中に提示・体現するという観点からも、非常に大きな意味を持つはずです。
検討プロセスや背景を全社で共有しながら進めたことで、運用開始時から伝道者となる人が多く存在したことで、全社一丸で同じ方向に向かう文化醸成の土台をつくることができました。これまでのように延長線上に正解があるわけではない現代において、本社機能、生産拠点、海外拠点、または中間管理層を超えてパーパスが浸透しないという課題感が多くあります。検討から社員の皆様を巻き込むことで、どっしりと魂のこもったスローガンが、愛着と愛情をもってさらに育てられ磨き上げられていく、本質的なブランディングに繋がりました。