パーパス経営を掲げたものの、こんな課題を感じていませんか?
「社員にどう伝えればいいかわからない」
「現場は目の前の業務で手一杯。パーパスが遠い存在になっている」
「“浸透”を目指しているのに、行動や文化が変わらない」
いま、多くの企業が「パーパスを掲げる」ことまではできても、「行動や文化にまで浸透させる」ことに苦戦しています。
実際、パーパスが社員の行動レベルまで落ちている企業はごく一部です。本記事では、パーパスを“自分ごと化”し、チームが動き出すための3ステップを紹介します。
実際に現場での変革支援を行う中で見えてきた、経営層・管理職が今すぐ実践できるポイントをまとめました。
目次
⚫︎ステップ1:会社の原点と「なぜ」に立ち返る
⚫︎ステップ2:パーパスをチームの文脈に翻訳する
⚫︎ステップ3:目的を強化する儀式と共通言語をつくる
⚫︎パーパス浸透の現状を可視化するには
⚫︎まとめ:パーパスは”行動”から生まれる
ステップ1:会社の原点と「なぜ」に立ち返る
どんな企業にも、始まりの“想い”があります。
創業時に感じた課題、社会に投げかけた問い、顧客への約束。
しかし、組織の成長や人の入れ替わりの中で、その“なぜ”は見えづらくなっていきます。
パーパス浸透の第一歩は、原点を再発見することです。
◾️チームでできる実践
⚫︎創業期を振り返るセッションを設定する
⚫︎次のような問いを投げかけてみましょう:
- 「なぜこの会社は生まれたのか?」
- 「誰のために存在しているのか?」
- 「今の仕事はその原点にどうつながっているのか?」
【プチ・ワークショップのヒント】
メンバーに「どのストーリーが最も心に響いたか?」を聞いてみてください。
感情的な共鳴が、パーパスを“自分ごと化”するきっかけになります。

ステップ2:パーパスをチームの文脈に翻訳する
どれほど立派なパーパスも、「自分の仕事にどう関係するか」がわからなければ、意味を持ちません。
マネージャーの役割は、企業のパーパスをチームの現実に翻訳し、日常の行動に落とし込むことです。
落とし込みの例
| 会社のパーパス(抽象) | チームの役割(文脈) | 具体的な行動(具体) |
| 未来を切り拓く | HRチーム | 支援が届きにくい拠点への研修を設計 |
| カスタマーサポート | 具体的な解決策を提案できた数をKPIに設定する | |
| 開発チーム | 新しいアイデアに10%の時間を投資 |
【プチ・ワークショップのヒント】
専門用語ではなく、日常の言葉で語りましょう。
「パーパス=会社のもの」ではなく「自分たちの価値観の延長」と感じられた瞬間、行動は変わります。
ステップ3:目的を強化する儀式と共通言語をつくる
パーパスは、掲げるだけでは続きません。“体験として繰り返す”ことが文化をつくります。
◾️チームでできる実践
⚫︎毎週のミーティングで問いかける:「今週、パーパスが現れた瞬間は?」
⚫︎行動事例を“ストーリー”として共有する
⚫︎会話を変える:「このタスクは誰が?」ではなく「この“ミッション”を誰がリードする?」
【プチ・ワークショップのヒント】
数値だけでなく、「自分たちの行動が誰にどう影響したか」を語る場を持ちましょう。
ストーリーの共有が、チームの目的意識を磨きます。
◾️事例分析コラム:日本航空(JAL)株式会社の取り組み
JAL(日本航空)は、2010年の経営破綻を機に、企業の“存在意義”を根本から問い直しました。再建を託された稲盛和夫氏のもとで、「JALフィロソフィー」と呼ばれる価値観を全社員が共有し、日々の行動指針として定着させました。
現場では、部門ごとに自らの目的と役割を再定義する「アメーバ経営」が導入され、一人ひとりが“自分の仕事が会社の再生につながる”という自分ごと化された実感を持つようになりました。
その結果、JALは数年で黒字化を達成し、単なる経営再建にとどまらず、社員が主体的に未来をつくる文化へと変革を遂げたのです。
(参照:稲盛和夫 Official Site (n.d.) 「日本航空の再生を支援(2010年)-日本航空を再生させた「フィロソフィ」と「アメーバ経営」-」、『稲盛和夫アーカイブエピソード』、KYOCERA Corporation、URL:https://www.kyocera.co.jp/inamori/archive/episode/episode-18.html)
パーパス浸透の現状を可視化するには
「うちの会社、パーパスってどのくらい浸透してるんだろう?」
そう感じたら、まずは現状を”見える化”することが第一歩です。
⚫︎社員の認識と実感のギャップ
⚫︎行動・意思決定にどれだけ反映されているか
⚫︎マネージャー層の理解・活用度
これらを数値とストーリーの両面から整理することで、次に何をすべきかが明確になります。
まとめ:パーパス浸透は“行動”から生まれる
パーパスは飾りではなく、日々の選択や対話の中に息づくものです。
理念を現場の創造や行動につなげることができたとき、
チームは「指示待ち」から「自律的に動く集団」へと変わります。
Bulldozerは、企業やチームが持つ価値観と未来を一体化させる伴走者として、
組織が“自走する変化”をデザインしています。
パーパス経営を“言葉”から“実践”へ。
まずは現状を見える化するところから、一緒に始めてみませんか?
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