【目次】
はじめに:いま、リーダーに求められている転換
企業の現場では、週次定例が形式的な「報告の場」になり、会議後に動きが生まれない。
指示を出さないと部下が動かない。組織の停滞を打破したいのに、チームに共有されているはずの“目的”が、どこか曖昧なまま進んでしまう。
こうした悩みは、多くの管理職が直面している現実です。もし、このどれか一つでも心当たりがあるとすれば、いま起きているのは単なる部下の課題ではなく、リーダーシップそのものの再定義が必要なサインと言えます。
AI・自動化が進む現在、組織は「効率」だけでは動かなくなりました。求められているのは、人が自ら動きたくなる“意味のある環境”をつくる力、創造的リーダーシップです。
なぜチームは“自分ごと”で動かなくなるのか
長い間、多くの企業は「速く・安く・正確に」を合言葉に成果を積み重ねてきました。
これは成熟市場において確かに効果的なアプローチでしたが、変化が早く正解が見えない現代では、以前ほどチームを動かす力を持たなくなってきています。
目的が共有されていないと、部下はどうしても“やらされ感”を抱き、指示待ちの姿勢になりがちです。その結果、報告会は惰性化し、イノベーションは生まれず、プロジェクトのスピードも上がりません。
つまり、効率を求めるマネジメントだけでは、もはや人も組織も動かなくなっているのです。
リーダーシップの再定義:管理から共創へ
従来のリーダー像は、「計画し、指示し、管理する」ことが役割の中心にありました。
しかし現在では、状況の複雑性や不確実性が高まったため、組織は「管理」によって動くのではなく、“共創”によって動くように変わりつつあります。
ポストパンデミックの研究でも、「リーダーシップは意思決定よりも文化づくりに比重が移っている」という指摘が増えています。
創造的リーダーは、部下の創造性や感情知能を引き出し、チーム全体の内発的動機づけを高める存在です。リーダーが正しい答えを持つ必要はなく、むしろ“良い問いを立てること”が、組織を動かす力となります。
◾️コラム:研究から見える「創造的リーダー」の共通点
テレサ・アマビールは、組織の創造性を支える要因として、単なるアイデアの質やスキルだけでなく、内発的なモチベーション(興味・情熱・自己決定感)が極めて重要だと指摘しています。 彼女の調査によると、創造性を発揮できているチームは、明確な目標設定・適切な裁量とリーダーの権限委譲・多様なバックグラウンドを持つメンバーによるコラボレーションなどの条件を備えているケースが多い一方、頻繁な目標変更や過剰な管理、評価に対する過度な干渉などがあると創造性は失われがちです。
また、彼女は「小さな進捗 (small wins)」の積み重ねが、知識労働者のモチベーションと創造力を高めると論じています。
つまり、「創造的リーダーシップ」とは、リーダーがアイデアを与えるのではなく、チームが主体的に考え、自ら動きたくなるような環境をデザインすること。これが成果につながるリーダーの条件なのです。
出典:
森本博行 (2019) 「組織の創造性を高めるマネジメントとは何か」、『HBRセレクション』、Harvard Business Review、URL:https://dhbr.diamond.jp/articles/-/5723?utm (閲覧日:2025年12月10日)
創造的リーダーシップが成果を生む理由
創造的リーダーシップとは、アーティストのように世界を観察し、まだ形のないものに問いを投げかける姿勢に根ざしたリーダーシップです。 たとえば、週次定例で「課題は何?」と問うのではなく、「どんな新しいことができそうか?」 と投げかけてみる。
問いが変われば、会議の空気は変わり、メンバーの発言の質も変わります。
その場は単なる報告会ではなく、チームの創造性が引き出される“創造の場”へと変わっていきます。
アート思考がチームを動かす理由
アート思考(Art Thinking)は、アーティストが未知の世界に挑む時の思考法をビジネスに応用したものです。「正解を探す」のではなく、「問いから意味をつくる」姿勢を重視するため、組織の内発的動機を引き出すのに非常に適しています。
アート思考を取り入れた組織では、会議が形式的なものから、互いの気づきや仮説がぶつかり合う“創発の場”に変わっていきます。結果としてプロジェクトが前に進みやすくなり、組織全体に動きとエネルギーが生まれます。
明日からできる小さな実践
創造的リーダーシップへの転換は、決して大掛かりな改革から始める必要はありません。
日常のコミュニケーションや会議のデザインをわずかに変えるだけで、チームの動きは変わり始めます。

小さな一歩でも、チームの動きは確実に変わり始めます。
また、会議の目的を「決定すること」から「学ぶこと」へと変えるだけで、場の雰囲気は驚くほど変わります。さらに、小さな実験をチームで試すことで、挑戦に対する心理的ハードルが下がり、組織に動きが生まれます。
【体験】報告会を「創造の場」に変えるアート思考ワークショップ
もしあなたが、
・部下の当事者意識を高めたい
・停滞気味のチームをもう一度動かしたい
・ミーティングを変革の場へとアップデートしたい
と感じているなら、Bulldozerが提供するアート思考ワークショップを一度体験してみてください。
ワークショップでは、「どのような問いがチームを動かすのか」 「どのように対話のデザインを変えればメンバーが自走するようになるのか」といった具体的なスキルを実践的に学べます。
現場でそのまま使える“行動変容の型”を持ち帰り、翌週の会議から実装していただける内容です。
週次定例を“報告会”から“創造会”に変えたい方は、こちらからお問い合わせください。
貴社の課題に合ったプログラムをご提案します。
まとめ:組織は“意味”で動く
これからの組織は、効率よりも“意味”で動く時代に入っています。その変化を最初に引き起こすのは、リーダーのたった一つの問いです。
あなたの問いが変わると、チームの空気が変わります。空気が変われば、動きが生まれ、プロジェクトは自然と加速していきます。
Bulldozerは、その最初の一歩を共につくるパートナーとして、組織の創造性と成果の両立を伴走します。
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