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なぜ「参加者選び」がワークショップの成果を左右するのか
「ワークショップをやったが、結局いつもの意見で終わってしまった」「盛り上がったが、現場は何も変わらなかった」こうした声は、企業の経営者や人事・DX担当者から頻繁に聞かれます。
原因の多くは、テーマやファシリテーション以前に参加者設計が曖昧なまま実施されていることにあります。ワークショップは“誰が参加するか”によって、アウトプットの質・実行力・組織への波及効果が大きく変わります。
Bulldozerの商談でも最も多い質問の一つが、「このワークショップ、誰を参加させるのが正解ですか?」というものです。本記事では、その問いに体系的に答えていきます。
そもそもビジネスにおけるワークショップとは何か
ビジネスにおけるワークショップとは、単なる意見交換や研修ではなく、参加者同士の対話を通じて認識を揃え、行動につながる意思や構造をつくる場です。
会議が「意思決定」、研修が「知識習得」だとすると、ワークショップは「変化の起点づくり」に位置づけられます。そのため、成果を左右するのは資料の完成度よりも、参加者がどの立場・どの視点で議論に関わるかです。
ワークショップ参加者を考える3つの軸
参加者設計を考える際、Bulldozerでは次の3軸で整理します。
1:知識・経験レベル:テーマへの理解度、実務経験
2:役職・意思決定への距離:決裁権、影響力
3:部署・立場の多様性:視点の幅、利害の違い
この3軸のどこを揃え、どこにあえて差をつくるかによって、ワークショップの性質は大きく変わります。
パターン①:知識レベル・年次を揃えたワークショップが向いているケース
向いている目的
⚫︎特定テーマの深掘り
⚫︎現場レベルでの課題整理・改善策検討
⚫︎プロジェクト初期の共通理解づくり
知識レベルや年次を揃えることで、「前提説明」に時間を取られず、議論が一気に深まります。いわば“阿吽の呼吸”に近い状態が生まれやすく、短時間で質の高いアウトプットを出せるのが特徴です。
注意点
一方で、視点が似通いやすく、発想が内向きになりがちです。そのため、既存の枠を壊したいテーマには不向きな場合があります。
パターン②:知識レベル・年次がバラバラなワークショップが向いているケース
向いている目的
⚫︎新規事業・新サービスのアイデア創出
⚫︎組織変革・DX構想の初期フェーズ
⚫︎部署間の分断解消・相互理解
バックグラウンドが異なる参加者が集まることで、「そんな見方があったのか」「自分たちは思い込みに縛られていた」といった認知の揺さぶりが起きます。普段は交わらない人同士が対話することで、組織に新しい回路が生まれます。
注意点
前提知識の差が大きい場合、ファシリテーション設計を誤ると「話についていけない人」「発言しない人」が生まれやすくなります。
目的別|誰を参加させるべきかの判断ガイド
組織変革・DX推進の場合
⚫︎現場のキーパーソン(業務を知っている人)
⚫︎中間管理職(現場と経営をつなぐ人)
⚫︎変化に前向きな推進役
新規事業・アイデア創出の場合
⚫︎業務経験が異なるメンバー
⚫︎年次・役職が分散した構成
⚫︎「正解を出す役」ではなく「問いを立てられる人」
認識合わせ・関係性構築の場合
⚫︎同じプロジェクトに関わる全体メンバー
⚫︎発言力に差が出すぎない人数構成
Bulldozerのワークショップでは、どんな人に参加してもらうべきか
Bulldozerでは、ワークショップを単発のイベントではなく、変革プロセスの一部として設計します。そのため、次の2点を特に重視しています。
⚫︎ワークショップ後に「行動を変えられる人」が参加しているか
⚫︎組織内で議論を持ち帰り、広げられる人がいるか
商談ではよく「まずは管理職だけでやるべきですか?」と聞かれますが、答えはケースバイケースです。重要なのは役職ではなく、その人が変化の起点になり得るかどうかです。

Bulldozerのワークショップで使用するオリジナルワークシート
◾️事例から見る「効果的な参加者設計」が成果を生んだケース
事例①:第一三共ヘルスケア株式会社様と新規事業アイデア創出ワークショップ
こちらの事例では、新規事業のアイディア創出を目的にワークショップを実施しました。参加者は、研究職の皆様の中でも若手メンバーを中心に構成しました。 この設計により、既存事業の制約条件を理解した現実的な視点と、「そもそもなぜそれをやるのか」という問いを投げかける新鮮な視点が交差しました。その結果、単なる発想出しに終わらず、事業として検討に耐えうるアイディアの骨子が複数生まれ、次フェーズの検証へとつながっています。 重要だったのは、意思決定層を最小限に留めつつも、ワークショップ後に議論を持ち帰れるキーパーソンを参加させていた点です。 (紹介記事はこちら)
事例②:東急バス株式会社様とパーパス浸透・未来像検討ワークショップ
全社的なパーパス浸透と将来像の言語化を目的にワークショップを実施しました。このケースでは、経営層・管理職・現場メンバーを意図的に混在させています。 立場や役割の異なる参加者が同じ場で対話することで、「経営が考える未来」と「現場が感じている現実」のズレが可視化されました。そのズレを前提に議論を重ねた結果、抽象的なスローガンではなく、現場の行動に落とし込める未来像として整理されています。 このワークショップは、その後の社内コミュニケーションや施策設計の共通土台として機能しています。 (紹介記事はこちら)
よくある失敗例:参加者選定でつまずくポイント
ワークショップがうまくいかない企業の多くは、テーマや進め方ではなく、参加者選定の段階でつまずいています。ここではBulldozerの商談でもよく話題に上がる代表的な失敗例を紹介します。
まず多いのが、役職者だけを集めてしまうケースです。意思決定のスピードは上がる一方で、現場の実態や違和感が共有されず、「きれいな結論だが実行されない」状態に陥りがちです。
次に、若手や現場メンバーだけで構成するケースも注意が必要です。議論は活発になりますが、決裁権や影響力を持つ人が不在のため、ワークショップ後に話が止まってしまうことがあります。
また、部署や立場を跨がずに実施すると、既存の価値観や前提が温存され、結果として「いつもの延長線上」の結論に落ち着いてしまいます。
ワークショップそのものが失敗しているのではなく、参加者設計が目的と噛み合っていないケースがほとんどです。
まとめ|成果を出すワークショップは参加者設計から始まる
ワークショップの成果は、当日の盛り上がりではなく、その後にどんな行動や意思決定が生まれたかで評価されます。そして、その起点になるのが参加者設計です。
知識や年次を揃えることで深い議論ができる場合もあれば、あえてバラすことで組織に新しい視点を持ち込める場合もあります。重要なのは「どちらが正しいか」ではなく、何を目的とするワークショップなのかを明確にしたうえで参加者を選ぶことです。
誰を集めるかを変えるだけで、同じテーマでもアウトプットの質は大きく変わります。成果を出したいのであれば、まずは参加者設計から見直すことが、最も効果的な一歩になります。
初回ヒアリングでは、ここから一緒に整理します
Bulldozerのワークショップ支援では、いきなり「どんなワークショップをやるか」を決めることはしません。まず初回ヒアリングで、次のようなテーマを一緒に整理します。
初回ヒアリングでお話しすること
⚫︎今、組織や事業で何が起きているのか
⚫︎なぜワークショップをやろうとしているのか
⚫︎過去に実施した施策や、うまくいかなかった理由
⚫︎想定している参加者と、参加させたいが迷っている人
これらをもとに、「誰を集めるべきか」「揃えるべきか、あえてバラすべきか」を具体的に設計します。
よくあるご相談例
⚫︎ワークショップを何度かやったが、行動につながらなかった
⚫︎管理職と現場の認識が噛み合っていない
⚫︎DXや新規事業の必要性は理解しているが、議論が前に進まない
⚫︎誰を参加させると組織が動き出すのかわからない
Bulldozerは、ワークショップそのものではなく、ワークショップを起点にした変化を設計するパートナーです。
「まずは壁打ちだけしたい」という段階でも構いません。自社にとって意味のある参加者設計から、一緒に考えていきましょう。
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