プライベートと仕事が生み出すイノベーションの好循環とは?趣味が仕事に生きる?

~RICE WORK から LIFE WORKへ~

”RICE WORK”と”LIFE WORK”という概念をご存知でしょうか?旧来の日本型社会システムでは、効率最優先のための管理型の雇用形態が蔓延していたために、やらされている感の強い仕事感覚に陥りがちでした。この状態を表すワードが”RICE WORK”です。つまり、”ご飯を食べるため”、”生きるため”に仕方なく働くという側面が強調されていました。

 労働人口が減少する日本において、企業が持続的な成長を遂げていくためには、一人一人が意欲的に楽しんで、自分ゴトで仕事をし、高い生産性を発揮することが欠かせません。そのために、意欲を持って能動的に働こうという提案が”LIFE WORK”です。”LIFE WORK”の状態を生み出すには、現状分断されている”プライベート”と”仕事”が循環するような仕組みづくりをすることが大切です。プライベートで育む”好奇心”や”探究心”が、”LIFE WORK”において肝心です。

LIFE WORKを創出する「好奇心」と「探究心」

 スポーツ、旅行、食事、家族や仲間との交流、創作活動、などなど、皆さんが普段プライベート時間で取り組まれていることは”好奇心”ベースで成り立っているのではないでしょうか。楽しいこと、自分が成長していく感覚があることこそ、意欲的に取り組むことができますよね。このようないわゆる”好奇心”を起点としたものごとは、次第に”探究心”も生み出します。この”好奇心”と”探究心”がイノベーションを創出するミソとなります。以下で段階を追って説明していきます。そもそも”好奇心”とはなんでしょうか。それは、既存の認知行動との”ズレ”が、興味を惹き、発問のきっかけとなるような状態です。

 上図はズレから発問する状態を簡単な図で表したものです。左上部”りんご”が今回解釈を深めていく対象です。さらに細かくステップを踏んで解説していきます。

Step1.あなたが初めて”りんご”を認識する

Step2.その時点であなたが既に経験によって記憶しているカテゴリー(図の場合、水色の円 ”動物”,”服”,”乗り物”)に当てはめて認知しようとする

Step3.”りんご”はどこのカテゴリーにも当てはめられず、”既存の認知とのズレ”が発生する

Step4.この”ズレ”を出発点とした”発問=好奇心”が発生する

Step5.Step4で発生した好奇心が、もっと深く知りたいという欲求すなわち物事の本質を見極めようとする ”探究心”に成長する

以上5つのStepを辿ることで、あなたにとって初めて接した”りんご”という存在を起点に好奇心による”発問”が生まれ、最終的に”探究心”に醸成されるというプロセスのイメージを掴んで頂けたでしょうか。

 好奇心から派生する”探究心”で対象物の本質を捉えていくことは、アート思考におけるフェーズ1の”自分/会社のオリジン”を深掘りすることと共通します。 さらに好奇心の素である、既存の枠組みからのズレを見つけるセンサーは”オリジン”を認識した上で発動するものです。自分の中に本来備わっているもの(オリジン)を認識し研ぎ澄まさなければ、”ズレ”にも気づくことができないのです。

未来志向でのアイデア創出には、既存の枠組みを取り払うことがポイントです。プライベートの時間において、好奇心の赴くままに楽しむことで”既存の枠組みからのズレ”を認識する視点を育て、本質を見る探究心まで進化させていく、その思考プロセスを辿ることが、仕事におけるイノベーションを生み出す下地作りに繋がると考えています。このように捉えると、仕事とプライベートを分けるのではなく、両者での思考を好循環させていくことが、LIFE WORKの状態を生み出し、より良い未来を創造することに繋がると理解して頂けるのではないでしょうか。

【事例集】アート思考がもたらしたLIFE WORK

ではここで、Bulldozerがアート思考を提供する中で実際に起こった、”LIFE WORKへの転換事例”をいくつか見ていきましょう。

①1人の主体性が組織に貢献!ボトムアップ事業改革プロジェクト事例

(大手飲料メーカーA様)

 業界のリーディングカンパニーであるA社様は、縦割り組織の弊害により、他部門のこと、また全体像がわからずに、新規提案が出にくい状況に陥っていました。そんな時、”アート思考”によって会社の”自分ゴト化”を図ることで、ある人材が現れました。

「部署ごとに分かれている業務を一気通貫で稼働させたらさらに効率が上がるのでは」この案は、今まで多くの社員が構想しながらも提案できずにいたアイデアでした。自ら声を挙げて提案した結果、異動が叶い、そのプロジェクトを進めていくこととなったのです。

 本来、こうした事業改革はコンサルティングファーム等、外からの提案を起点とします。また、縦割り組織に横軸の流れを生み出すことは、多くの企業が取り組もうと思いながらも二の足を踏んでしまう状況です。

しかし、”1人の主体性”を起点に、ボトムアップで事業改革のプロジェクトが自発・内発的に生まれ、生産性向上への貢献という大きなパラダイムシフトを生み出しました。アート思考による個人の意識変容・行動変容が組織変容に繋がった1つの大きな事例です。

②人生が変わるきっかけに!アート思考が個人に対して変化を与えた事例

(大手製薬メーカーB社様の事例)

 B社様でのアート思考ワークショップで自身の棚卸しをする中で、参加された30歳前後の女性は「自分自身の才能を活かすために、人生このままでいいのだろうか」と新たな問いが湧いてきたそうです。キャリアと比例して高まる自信の反面、多くの中堅層は人生に迷いや不安を抱えています。

 プログラム終了後、その女性はカナダ留学を決意。実際に行動に移したのでした。上司も、彼女の成長やそのきっかけとなれたことに感動し、喜ばれていました。彼女1人だけでなく、チームにも”人が変わる可能性”は大きな衝撃となりました。

 クライアントの人生や社運を変える企業は多くても、従業員の人生を変えるキッカケを提供している企業は、多くはないのではないでしょうか。

 ③提案するが、当たり前に!イノベーションの循環が起きた事例

(大手空調メーカーC社様の事例)

 C社様ではアート思考のプログラムで身についた”言語化し行動に移す”という感覚を、枠組みから飛躍し、自発的な提案が行われました。デザイナーの女性が「自分のデザインが海外でどのように使われているのか直接見てみたい」と上層部へ提案したのです。これまでこうした提案をした人はおらずスキーム自体存在しなかったのですが、その自主性に感銘を受け許可がおり、視察にいきました。彼女が現地で実際に自分の目で見て吸収した知見を持ち帰ることで、社内でも新たなイノベーションの循環が起こり、また自分から行動や提案を行ってもいいという気運が周囲に派生した事例です。

 このように言語化し行動に移すということが進んだわけですが、自分の才能の最大化に貪欲になり、その中で仕事の自分ゴト化も加速したことが伺えます。

まとめ

このように、個人の内的動機と仕事を上手く組み合わすことにより、より自律的に好奇心を保って、生き生きと働くことができるようになります。事例集でお伝えしたように、仕事をもっと楽しめるようになった人や、より主体的に動けるようになった方が続出し、人生が大きく変わった方もおられます。

弊社に興味を持ってくださった方、もっと詳しく話を聞きたいという方はぜひ、以下のURLからお問い合わせください!

お問い合わせ
https://bulldozer.co.jp/contact/
上部へスクロール