1. なぜ今、「企業価値」が問い直されているのか
「うちの会社の価値って、いまどのくらいなのだろう?」
そんな問いを持つ経営者や管理職が、近年ますます増えています。
背景には、2026年春に施行予定の「企業価値担保権」制度の創設があります。
これは、企業がもつブランド・技術・人材・知的財産といった“無形資産”を含む企業価値を、金融機関が担保として評価できるようにする新しい仕組みです(金融庁:企業価値担保権制度)。
これまで日本の企業融資は、不動産や経営者保証などの「モノ」に依存していました。
しかしこの制度によって、「企業そのものの未来価値」を担保とみなす時代が始まります。
つまり、企業価値はもはや“数字の結果”ではなく、“これからの成長ストーリーそのもの”。
「自社の価値をどう定義し、どう高め、どう伝えるか」が、経営そのものの核心になりつつあります。
これからは、企業の未来像=企業価値。
過去の数字だけでなく、「これからどんな未来を描けるか」が問われています。
2. 企業価値を構成する3つの視点:財務・非財務・未来価値
企業価値を正しく理解するためには、以下の3つの視点をバランスよく捉えることが重要です。

企業価値担保権のような制度が整うことで、こうした「財務+非財務+未来」の三層構造をいかに整備しているかが、外部からの評価にも直結していくことになります。
3. 変化の時代における「アート思考」
未来価値を高める上で、弊社が提唱しているのはアート思考という考え方です。
● アート思考とは?
一方のアート思考は、論理や分析を一度離れ、「自分たちは何を感じ、何を生み出したいのか」という内的な問いから発想する方法。
デザイン思考が“課題解決”を目的とするのに対し、アート思考は“問いの創造”を重視します。
これを経営に応用すると、社員一人ひとりが「自社の存在意義を自分ごと化」でき、企業の未来像を共創する文化が育まれます。
そんな「アート思考」と、企業価値を「社会への影響度×持続性」として捉える「インパクト志向」のコラボレーションが実現!インパクト志向・インパクト投資の専門家であるGLIN Impact Capital様と株式会社Bulldozerによるイベント「インパクト志向 × アート思考で描く、これからの企業価値のカタチ」の開催が決定しました。両者の融合により、「社会に貢献する存在」としての企業価値がより明確になります。

4. 企業価値を再定義する3ステップ・フレームワーク
Bulldozerでは、企業が自社の未来像を描き、企業価値を再定義するための3ステップを提案しています。
STEP1:現状を「見える化」する
まずは財務・非財務のデータを整理し、現在の企業価値の構成要素を可視化します。
ESGスコア、従業員の声、ブランド認知、IR評価など、定量・定性両面から現状を把握します。
STEP2:未来仮説を「描く」
次に、アート思考のプロセスを活用して、「10年後、どんな社会に貢献している会社でありたいか」を対話的に描き出します。
未来像を数値目標ではなく、物語として言語化することで、社員全員が共感できる「未来の旗」を立てられます。
STEP3:エクイティストーリーを「伝える」
最後に、その未来像を投資家・社員・社会に伝えるためのエクイティストーリーを設計します。
単なるIR資料ではなく、「企業の存在理由」「未来への約束」「そこへ至る戦略」をストーリーとして発信することが大切です。
この3ステップを経ることで、企業価値は“測られるもの”から“描き、共感を生むもの”へと変わります。

5. 実践事例:企業価値の再構築に挑む企業たち
実際に、企業価値の再定義に取り組む企業が増えています。
以下はその代表的な事例です。
・花王株式会社
花王は「Kirei Lifestyle Plan」を軸に、環境・社会・人への貢献を定量的に可視化。ESG経営を通じて、非財務価値を長期的な企業価値と位置づけている。(出典:花王 (n.d.) 「サステナビリティ」、URL: https://www.kao.com/jp/sustainability/)
・パナソニックホールディングス
「幸せの、チカラに。」を企業パーパスとして掲げ、事業再編とサステナビリティ戦略を連動。中長期的な社会課題解決と企業価値創出を同時に推進している。(出典:パナソニック(2022) 「パナソニックグループの存在意義(パーパス)を表すブランドスローガン 「幸せの、チカラに。」を発表」、URL: https://news.panasonic.com/jp/press/data/2022/04/jn220401-9/jn220401-9-1.pdf)
・ユニリーバ
ユニリーバは「Purpose-led, Future-fit」として、ブランドごとに社会課題の解決をビジネスモデルに統合。感性と倫理を軸にした“アート思考型経営”を実践している。(出典: Unilever. (2024). Unilever Annual Report and Accounts 2024, Unilever plc. Retrieved from https://www.unilever.com/files/unilever-annual-report-and-accounts-2024.pdf)
これらの企業に共通しているのは、未来価値を中心に企業を再定義している点です。
企業価値はもはや“結果”ではなく、“問いを立て続ける姿勢”によって育まれていくものといえます。
6. まとめ:未来を描く力が、企業の価値を決める
企業価値を向上させるために必要なのは、単なる財務改善でも、表面的なブランディングでもありません。
大切なのは、「どんな未来を描き、その未来にどう貢献するか」を明確にすること。
未来を描く力は、社員の共感を呼び、投資家の信頼を得て、社会からの支持を集めます。
そしてその“共感の連鎖”こそが、次世代の企業価値を形成するのです。
あなたの企業価値の“未来”を、Bulldozerとともに描きませんか?
企業価値を高めるには、「今の数字」ではなく「これからの物語」をデザインすることが欠かせません。Bulldozerでは、経営・広報・人事が一体となって“自社の未来像”を共創する未来像創造ワークショップを実施しています。
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7. イベント情報:「インパクト志向×アート思考で描く、これからの企業価値のカタチ」
Bulldozerでは、企業の未来像を共に描く特別イベントを開催します。
企業の目的や価値を社会や環境にポジティブな変化を起こすことに置く考え方で今大注目の「インパクト志向」と、「アート思考」で一緒に企業の未来を創造してみませんか?

「インパクト志向 × アート思考で描く、これからの企業価値のカタチ」
さらに、自社の企業価値を再構築したい方には、Bulldozerの「未来像創造ワークショップ」もご用意しています。経営・IR・人材開発・広報が一体となって、未来を共に描く体験を、ぜひあなたの企業でも。
イベントへの参加が難しい方や、具体的な企業課題について相談したい方には、
Bulldozerの専門チームが一社ごとに伴走する未来像創造ワークショップ/個別相談をご案内しています。
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