「自分でやった方が早い」と感じる瞬間、誰にでもあるのではないでしょうか。
忙しさの中で他者に任せる余裕がなくなり、「結局、最後は自分がやる方が確実だ」と抱え込んでしまう。そんな経験を重ねるうちに、気づけばチーム全体の成長が止まってしまうこともあります。
しかし、いま求められているリーダーシップとは、“自分がすべてをこなす”力ではなく、“チームの力を引き出す”デザインの力です。
その鍵を握るのが「権限移譲(デリゲーション)」です。
「自分でやる」文化がもたらす見えないリスク
現場でよく聞かれる声の中に、こんなものがあります。
「任せても結局自分が手直しすることになる」
「責任を取るのが怖い」
「人に頼むより、自分でやった方が早い」
一見、効率的に見えるこの考え方は、長期的には大きなリスクをはらんでいます。
挑戦の機会を奪われた社員は成長のチャンスを失い、マネージャーは疲弊し、知識が個人に偏る「属人化」が進行してしまうのです。
その結果、組織は変化に対応できず、生産性も文化も硬直していきます。
権限移譲の本質とは:信頼を起点にした「成長のデザイン」
権限移譲は、単にタスクを手放すことではありません。
その本質は、「信頼を前提に、相手の成長をデザインすること」にあります。
挑戦できる余白をつくり、必要なサポートを添える。そのバランスこそが、チームを育てるリーダーシップです。
Bulldozerが提唱する「オリジンベースド・アートシンキング」も、この“成長のデザイン”に通じています。
オリジンベースド・アートシンキングでは、「今、何をすべきか」ではなく、「自分たちは何のために存在するのか」という原点(Origin)を見つめ直すことから始めます。
一人ひとりの価値観や強みを言語化し、そこから理想の未来を描き、現在の行動へとつなげていく。このプロセスが、社員が自らの仕事を“自分ごと”として捉え、主体的に動く文化を生み出します。
権限移譲を育む3つの実践ポイント
1:責任を適切に切り分ける
相手の経験や強みに応じて任せる範囲を設計し、小さな成功体験を積み重ねることで信頼が育ちます。
2:期待を明確に共有する
「何を」「いつまでに」「どのレベルで」行うのかを明示することで、不安や誤解を防ぎます。
3:フィードバックの対話を仕組みにする
成果だけでなく、プロセスを振り返ることで、失敗も学びに変わります。
これらの実践が、「任せる」ことを“責任放棄”ではなく“信頼の表現”として機能させるのです。
権限移譲を文化に変える:対話が生む“信頼の土台”
真に強い組織は、「心理的安全性」と「信頼の循環」がある組織です。
Bulldozerでは、アート思考を用いたワークショップを通じて、部署や役職を超えた対話を生み出しています。
このプロセスは、社員同士が互いの価値観や強みを理解し合う“信頼の土台”を築き、結果として権限移譲を支える企業文化の育成につながっています。
「任せること」は弱さではなく、組織を強くする力
権限移譲とは、手放す勇気であり、信頼を示す行為です。
一人で背負うのではなく、仲間と責任を分かち合うことで、組織はしなやかさと強さを併せ持つ存在へと変化します。
まずは、今日のタスクの中から問いかけてみてください。
「この仕事、誰に託すと新しい可能性が生まれるだろう?」
その一歩が、権限移譲の文化を育て、組織全体を進化させるはじまりになるのです。
次の一歩へ:アートシンキングで組織の“信頼”をデザインする
Bulldozerのアートシンキングは、社員一人ひとりの「原点(Origin)」から未来を描き、組織文化に変革をもたらすプログラムです。
権限移譲の定着、部門を越えた共創、そして信頼に基づくリーダーシップの実現に関心のある方は、ぜひワークショップや導入事例をご覧ください。
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