こんにちは!本日はBulldozerの右脳と左脳をつなぐ翻訳家and建築家の吉池がお送りします。実は我々Bulldozerは和歌山白浜の動物園「アドベンチャーワールド」さんと一緒に、動物×アート思考イベントを仕掛けています。
第一弾として、渋谷キャストで2日間、展示&ワークショップイベントを行いました!寒い中、来てくださったみなさんありがとうございます◎
とーーーっても深くて広い内容なので、いつでもどこでも振り返っていただけるように記事にまとめます。
目次
- そもそも、自分ゴト化ってなんだろう?
- 地理軸で捉える「渋谷の雰囲気」
- 時間軸で捉える「昔の渋谷・未来の渋谷」
- あなたの携わる産業と土地とののつながりを考える
- 地理軸×時間軸で日本全国の移動と距離を考える
- 地理軸で捉える「世界の日照時間・気温・生活」
- 時間軸で捉える「1日の時間の長さの変化」
そもそも、自分ゴト化ってなんだろう?
自分ゴトという言葉、みなさんは馴染みがありますか?
今回のテーマである”自分ゴト”について、まずは考えてみましょう。他人ゴトの対義語として生まれた言葉ですが、どこまで強く当事者意識を持つのか?その深さは少し曖昧かもしれません。
人によっては、まずは知るということが重要かもしれませんし、行動に移して初めて責任感を感じられるという人もいるかもしれません。
みなさん自身にとって自分ゴトとは、どんな定義ですか? また、他の誰かに自分ゴトにしてほしいと思った時に、その定義は変わりますか?
この後の内容では、自分ゴトの強さだけではなく、自分ゴトの範囲についても考えていきたいと思います。
展示を通して出会うモノや動物はあなたにとってかけ離れた遠い存在かもしれません。しかし、自分とのつながりを感じることで、実は遠いと思っていたものとあなたはつながっていて自分ゴトの範囲が拡がるかもしれません。
展示では渋谷の街・日本・地球を地理軸や時間軸で捉えることで自分ゴトとして感じる範囲を拡げていくことを意図しました。さらに、アドベンチャーワールドさんをゲストに迎え、人間という種を超えて、動物から見た世界や人間と動物とのつながりを知ることでどこまでがあなたの自分ゴトなのか、という問いかけをしています。
地理軸で捉える「渋谷の雰囲気」
「渋谷はどんな街?」と聞かれた時、あなたは渋谷のどのエリアを想像しました?皆さんの頭の中には、いろいろな渋谷が思い浮かんだのではないでしょうか。海外の方にとっては、スクランブル交差点やセンター街こそ、渋谷の象徴かもしれません。
しかし、渋谷は実は多くの街と隣接し、いろんな顔を持っています。原宿隣接エリアは、感性を刺激するお店に溢れ、高級住宅街で有名な松濤エリアは、洗練された小規模のお店が並びます。また百軒店商店街は、少しディープで逆に近未来的な印象もあるのではないでしょうか。
時間軸で捉える「昔の渋谷・未来の渋谷」
渋谷はいつから” 今の渋谷” だったでしょうか?
50 年前、100 年前…どうでしょう?
図1 は今から約150 年前、江戸時代後期の渋谷です。緑は農地で、白や紫色はお屋敷です。文化や経済の中心地では全くない大の田舎でした。鉄道をはじめとした交通網の発展や都市の開発により、この150 年余りで、世界の人が遊びに行きたくなる文化経済都市へと発展したわけです。
次に、未来の渋谷はどうでしょうか?確実なことは誰にもわかりません。何故なら私たちがどんな街を作りたいか?そこでどんな時をすごしたいか?こうした想いが少しづつ、街に反映されていくからです( 参考:図2,3 )。
江戸時代後期の人たちが今の渋谷を想像できなかったように、未来の渋谷も我々の想像を凌駕した先にあるでしょう。
あなたの携わる産業と土地とののつながりを考える
みなさんは自分が生まれた土地、また育った土地からどんな影響をどのくらい受けているか考えたことはありますか?
人は生きていく中で、仕事という形で価値を生み出す生き物ですが、地政学と人の影響を考えた時に、その先に浮かびあがってくるものは、土地と産業の関係性です。
例えばトヨタは世界を代表するカーメーカーですが、創業当初は自動織機を製造販売していました。東海地方と織物の関係性は実は深く長く、縄文時代まで遡ります。天候に影響を受けながらも植物を育て上げ、繊維を取り出したら糸を撚り、そこから布を織り…という、とてつもなく長いプロセスでの
試行錯誤と、手先の器用さが大切になります。長い歴史文脈の中で培われた文化はDNA となり、次の時代の産業の礎となるわけです。
他にも、太古日本の奈良時代に遣隋使や遣唐使が持ってきた建築の技術。
都が難波宮そして京都へと北上するのに伴い技術も北上した名残から、大林組や竹中工務店など建設業の企業の本店は関西地区に多い傾向があります。
また九州発祥の世界的メーカーといえば、TOTO。創業時は、東洋陶器株式会社という社名でした。社名からわかるように便器は陶器からできています。創立者が欧米の視察で洋式便器を目にし、「日本にも衛生的で快適な生活文化を普及させたい」という想いを持つわけですが、これを実現させた陶器と時代と場所の密接な関係性があります。江戸時代の開国に伴い多くの金が国外に流出したことをうけ、輸出することで外貨として取り戻そうと考えた人たちがいました。そこで北部九州は、生産力向上による窯業の近代化・発展をうけ近代産業遺産である「九州焼」が盛んとなり、この影響を色濃く受けています。
あなたの人生、あなたの会社は、土地の文脈からどんな影響をうけていますか?
ぜひ、考えて見てください!
地理軸×時間軸で日本全国の移動と距離を考える
昭和の中頃、飛行機が一般的になるまで、多くの人にとって日本国内における大半の移動は陸路でした。そのため、直線距離と移動時間はほぼ比例しました。
しかし飛行機が一般化した現在はどうでしょうか?必ずしも比例しません。例えば、アドベンチャーワールドまで大阪から陸路で行くと3 時間弱かかります。しかし、東京の羽田空港からだと1 時間ちょっとです。
距離の近さ=自分ゴトとなりやすいのか、時間の近さ=自分ゴトとなりやすいのか、また遠い方が逆に近いといった世界もあるため、自分にとってどこまでが自分ゴト化しやすいのかは、時代に応じても変化していきそうです。
地理軸で捉える「世界の日照時間・気温・生活」
ここでは地球上の複数地点における10 月末日のある1 日を比較して見てみたいと思います。ここで見る観点は、日照時間、天気、気温などです。
①渋谷
②スウェーデン ストックホルム
③ブラジル サンパウロ
④タイ バンコク
みなさんの新しい1 日が、②~④のそれぞれ他の地域で始まると考えた時、どんな過ごし方になりそうですか?日の入り時間が早ければ、早い時間で
帰宅したいでしょうし、寒ければ家から出たくなくなりませんか?そうすると、きっと家で楽しく過ごす方法を見出すはずです。
逆に夏季に、日本の夕立を超える豪雨に見舞われることがあると、ハプニングも受け入れられるようになるかもしれません。
同じ地球でも経度緯度によってこれだけ違うことから、地球が本当に丸いこと、そして太陽の周りを回っているという事実を体感するキッカケにしていただけたら嬉しいです。
アナタの住んでいる場所、また生まれた場所は、文化にどういう影響をもたらしているでしょうか?
アナタにとっての常識は、実はこういった観点で作られていってるかもしれません。だからこそ、環境が大切なんて言ったりもするのではないでしょうか。
時間軸で捉える「1日の時間の長さの変化」
「1 日の長さは?一年の長さは?」と聞かれたら皆さんは何と答えますか?現代に生きる人であれば1 日は24 時間、1 年は365 日と答えるのではない
でしょうか。実は、公転( 地球が太陽の周りを回る)のスピードが違ったため、3 億5000 万年前の1 年間は385 日でした。
それ以上に驚くのは、1 日の長さです。500 億年後の未来、どのくらいの長さだと思いますか?
約1080 時間。今の45 日( 約1.5 ヶ月) です。
海水と海底の間の摩擦により、毎年わずかに自転( 地球自身が一回転) のスピードは遅くなっています。
1 年や1 日の長さでさえ移ろう中、500 億年後の皆さんにとって、何が常識になりそうですか?また何が非常識になってそうでしょうか?
まだ、展示の内容の半分もお伝えしていませんが、続きは次の記事で!
渋谷イベントに引き続き、アドベンチャーワールドさんにて、1泊2日のプログラムを開催します。
動物にも会えて、アート思考にも触れられて、地球も自分ゴト化できちゃう!そんな密度MAXのプログラムです。
▼動物×アート思考で、100年先の地球に提案を 企業を対象に「地球の自分ゴト化」プログラムをテスト開催
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